みんなと離れて1匹でいた瓜坊が私の庭に来た数日間の話

私の住んでいるところは大雪でニュースになるような田舎で、都会では見られないような動物もたくさん出ます。中でも最近家に来たのは猪、それも猪のこどもの瓜坊です。
ふと庭を見たときのことです。「…何だか黒いものが動いてる。」カラスかなと思いましたが、動きが何だかいつもと違うと思い見に行くと瓜坊でした。瓜坊といえども力が強いので人間は怪我をすることもあります。私はなるべく音を立てないようにこっそりと見ていました。よく見ると、庭の土を掘って何か食べ物を探しているようでした。瓜坊が居るときは側に大きな親猪が要ることが多いのでしばらく注意していたのですが、親猪はいっこうに出てきません。どうやらこの瓜坊、親と離れて1匹になってしまったようなのです。小さな体で一生懸命土を掘っている瓜坊を見ると追い払うのも何だかな…と思いそのまま家に戻りました。
でも朝起きてびっくり。庭中掘り起こされてぼこぼこになっていました。あの小さな瓜坊がここまでパワフルとはと野性動物の凄さを改めて感じました。そんなことが何回か続き、瓜坊も少し大きくなって1匹でも生きていけるものなんだなと感心していました。
ですが2月上旬。記録的な寒波が私の住む地域に到来し、瓜坊のことなど忘れて屋根や庭中に積もった雪の除雪作業に明け暮れました。ようやく寒波も落ち着いた頃、庭の土も見えてきて、瓜坊がまた出てくるかなと思っていました。
思っていましたが、何日経ってももう瓜坊は来ず…あの寒波で山も大雪だっただろうし、いつも掘って食料を探していた土も見えなかったしせめて母親猪のところに戻れていたらなと思うのでした。